・高校受験の対策は、いつから始めればよいですか?(中学3年生より)
・中学2年ですが、高校受験の入試対策はいつから始めた方がいいと思いますか?
・高校受験対策はどんなことから始めるといいですか?
生徒や保護者の方からこのような質問をよくされます。
ここで一度、考えてみてください。
そもそも高校受験の対策って何をすることだと思いますか?
「志望校の過去問を解くこと」だと思っている人が多いのではないでしょうか。
確かに過去問を解くことは受験対策の大事な勉強ではありますが、過去問を解くことだけが受験対策ではありません。
毎日の勉強が受験対策につながっていますし、直接勉強をしなくても受験対策につながることもあります。
つまり2年生や3年生などの学年関係なく、高校受験の対策はすでにこの瞬間から始まっているのです。
このように少し考え方を変えるだけでも受験に向けての意識が高くなります。
では受験対策のために、どのようなことを意識して勉強すればいいのか、過去問を解き始める目安の時期、勉強以外でどのようなことが受験対策につながるのか、など詳しく確認していきましょう。
志望校に合格するために必要なことは全部が受験対策
最初にも聞きましたが、高校受験の対策とは何をすることでしょうか?
受験の目的の一つとして志望校合格があると私は考えています。
そのように考えるなら、志望校に合格するために必要なことは全部受験対策と考えることができます。
千葉県公立高校入試の場合の合否判定を考えてみましょう。
学校によって多少配点は異なりますが、以下の合計点で合否判定されます。
・入試当日の5教科500点満点の学力検査
・135点満点の内申点(通知表の評定)
・調査書の記載事項(部活動や生徒会、委員会活動、検定など)
・学校別の検査(面接、自己表現、作文など)
そのため、上記のいずれかの点数アップにつながることは全て受験対策になりますね。
入試当日の5教科の学力検査の点数アップのための対策の一つとして、多くの人が考える過去問を解くこともあてはまります。
また千葉県の場合、135点満点の内申点は中学1年から3年までの全ての学年の通知表の学年評定が関係しますので、1年生から通知表の評定を意識した日々の勉強も受験対策につながります。
調査書の記載事項では、部活動や生徒会、委員会活動が評価される学校もあれば、英検3級や漢検3級を取得することで加点される学校もあるので、志望校の受験情報を正確に知ることも重要です。
面接、自己表現、作文などの学校別の検査の対策は受験直前におこうなうことが多いですが、面接や自己表現で自分をアピールするため積極的に行事活動や部活動に取り組もうと考えてもいいでしょう。
このように直接勉強に関係しないように思えることも受験対策につながっています。
学校別の検査の配点が高い学校もありますので、気になる学校の配点を調べることも受験対策になります。
志望校の情報を知ることで、何の対策に自分が力を入れないといけないのか明確にしていきましょう。
高校受験対策はいつから?この瞬間から始まっている
先ほど説明した入試当日の学力検査や内申点の対策について、もう少し詳しく確認していきます。
入試当日の学力検査のための受験対策と聞くと、過去問だけでなく苦手な教科や単元を復習することを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか?
入試では中学3年間で学習した内容全てが出題範囲ですので、苦手な単元が出題されたときのために克服しておく必要があります。
でも受験対策を意識してから苦手な単元の復習をするのではなく、始めから苦手な単元を残さない、という考え方もできます。
1年生や2年生であれば、今勉強している内容で苦手なところを残さないことがそのまま受験対策になりますね。
3年生だとしても学校で初めて習う単元をしっかりと理解して苦手にしなければ、その単元については受験対策で苦手な単元の復習をする必要はありません。
すでに苦手な単元がある場合は仕方ありませんが、受験前まで待つことなく、春休みや夏休み、冬休みなど長期休みで復習をしていきましょう。
また毎回の学校の定期テストの勉強を頑張ることも苦手な単元を残さないことになりますし、内申点アップにもつながります。
このように毎日の勉強が高校受験につながっていることを意識しましょう。
勉強の密度を高めるコツ
毎日の勉強が高校受験につながっていると言われても、入試が近くならないとピンとこない子も多いですよね。
そこで毎日の勉強で少し意識を変えるだけで勉強の密度が高まり、受験対策にもつながるコツをお伝えします。
過去問を解くとわかりますが、高校受験では基礎の問題も出題されます。
千葉県公立高校入試の数学では次のような基礎的な計算問題が出題されたこともありました。
3ー8 を計算しなさい
もちろん全ての問題がこのような基礎の問題だけではありません。
応用問題も出題されます。ただ、応用は基礎の考え方の組み合わせで解けることがほとんどです。
基礎の問題も簡単だからとなんとなく解くのではなく、なぜそのように解くのか、誰かに説明できるように根拠をもって解くことを意識してみてください。
選択肢から選ぶ問題でも、なんとなくこの選択肢が正解かなと選ぶのではなく、根拠をもって正解を選ぶようにすることで理解が深まります。
正解だと思う選択肢の根拠だけではなく、不正解だと思う選択肢のどの部分が誤りなのか説明できるか考えてみてください。
そうすることで一つの問題から複数の知識を確認することができます。
友達から「どうやってその答えになったの?」と聞かれてスラスラと説明できるように、自分一人で問題を解くときでも根拠をもって考える習慣を毎日の勉強で意識していきましょう。
目的に合った必要な高校受験対策をする
今まで説明してきたように毎日の勉強が受験対策につながっていますが、自分の目的に合わせて今はどの受験対策に力を入れて取り組めばいいか判断する必要があります。
例えば、過去問を解くことは大事な受験対策ですが、学習状況によっては早過ぎる時期だとあまり効果的に活用できません。
過去問を解き始める目安の時期については、下記の記事に詳しくまとめていますので参考にしてください。
→高校受験の過去問はいつから解き始めるとよいか?
また過去問を解く目的をはっきりさせることで、過去問を活用する時期や過去問の使い方も変わってきます。
過去問を解く目的や使い方については、下記の記事に詳しくまとめていますので参考にしてください。
→高校受験の過去問の使い方。合格するためにやること
入試を受けたあとの自己採点を生徒から聞くと、目標点にあと少し届かなかったということもあります。
5教科で一つもケアレスミスがない子は少ないです。
わかっていたのに間違えてしまったケアレスミスが複数あった場合、その問題が正解できれば目標点を取れることもあります。
ケアレスミスが多く、入試前の模試で10~20点も失点してしまっていた生徒もいました。
その生徒の場合は、模試の振り返りや普段の授業でケアレスミスのパターンを分析して対策することで、ケアレスミスが少なくなり志望校に合格することができましたが、受験直前で慌てて対策するのではなく日々の勉強から対策していきましょう。
普段の勉強のときに意識してケアレスミスがほとんどない状態にできていないと、入試本番で気を付けようと思ってもケアレスミスをしてしまうことが多いです。
普段からケアレスミスが多い子ほど、入試本番でも同じようなミスをしてしまう可能性が高くなります。
緊張もするでしょうし、普段意識できていたこともできないことがあるのが入試本番です。
入試直前ではなく、ケアレスミスが一つでもあると気付いたそのときからケアレスミス対策をしましょう。
具体的なケアレスミス対策については、下記の記事に詳しくまとめていますので参考にしてください。
→テストのケアレスミス対策。入試で5点アップ可能な改善方法
まとめ
いつから高校受験の対策を始めればよいかわかりましたか?
志望校に合格するために必要なことは全部が受験対策と考え、毎日の勉強が高校受験につながると意識してもらうのが一番です。
ただ、過去問のように目的によって取り組む目安時期がある受験対策もあります。
また毎日の勉強で意識してほしいこととして、下記のことを伝えました。
・苦手な単元を残さない
・問題を解くときに根拠をもって考える
・普段の勉強からケアレスミス対策をする
この内容以外のことでもいいので「今日から〇〇を意識して勉強しよう!」と決めてみてください。