復習と聞いてどんなことが思い浮かびますか?
・今まで復習はあまり意識していなかった
・復習が重要なのはわかるけどやってない
・復習をやりたいと思ってるけど、どうやればいいかわからない
このように人によって違うかもしれません。
「復習の重要性を理解していて、バッチリ復習できてます!」と言える子は少ないでしょう。
部活や習い事、塾などで忙しい子は宿題だけでも大変で、復習までやってられないと思う子が多いのではないでしょうか。
また時間があったとしても、復習をするくらいならもっと新しい問題を解いたほうがいいと思っていませんか?
そう思う子もいると思いますが、私は復習が大事だと考えています。
復習のタイミングは人によっていろいろです。
そのなかでも、その日に勉強したことを当日中に復習することが一番重要だと私は思っています。
理由は、この当日の復習をするだけでも勉強したことの定着度がかなり変わるからです。
当日中に復習するなんて大変・・・
そう思うかもしれませんが、当日中の復習は慣れてくれば5〜10分で終わります。
当日の復習では、問題を解き直すことはしなくてもいいです。
その日の勉強内容を教科書やテキスト、ノートをさっと見て思い出すだけでOK!
エビングハウスの忘却曲線によると、人間の脳は1日後(24時間後)に74%忘れてしまうと言われています。
そのため、この5〜10分の当日の復習をするだけでも理解度が変わってきます。
このやり方だったら簡単に復習できそう!
そう思ってくれたら、このあとのより詳しい当日の復習の仕方の手順を参考にしてみてください。
復習よりも新しい問題を解いたほうが本当にいいのか?
復習をするなら、その時間で新しい問題を解いたほうがいいと思ったことありませんか?
確かにたくさん問題を解いたほうが成績が上がりそうな気がしますよね。
復習をしたほうがいいのか?
それとも、新しく問題を解いたほうがいいのか?
これは勉強の状況や理解度によっても違います。
例えば、テスト前などにワークを2周目、3周目と繰り返していてほとんど正解できているなら、その内容については復習はそこまで必要ないと思います。
ただ、学校や塾で初めてその単元を勉強したのであれば、1回勉強しただけで完璧に覚えたり理解できる子はほとんどいません。
その場合は新しい問題で練習をするよりも、まずは1回解いた問題を復習することを優先したほうがいいです。
その日に勉強したことが理解できていなければ、新しい問題で練習をしても正解できません。
復習をして定着させてから新しい問題を解いて、別の問題でも本当に正解できるのか確かめたほうがいいです。
同じ解き方をすれば正解できるのに、新しい問題だと間違えてしまうときは本当に理解できていない可能性が高いです。
または、わかったつもりで正しく理解できていないことも多いので、なぜ間違えてしまったのかをしっかりと確認してください。
テストの点数を上げるために大事なこと
テストの点数を上げるために大事なことは「できない問題」を「できる問題」にすることです。
そして「できる問題」を「できる状態を維持する」ことも大事です。
できない → できる → できる状態を維持
最後の「できる状態を維持」した状態でテストを受けることができれば高得点を取りやすくなります。
学校や塾で勉強した内容は、その場では「できる問題」になっていることが多いはずです。
最初は間違えてしまったとしても教えてもらうことで、理解して「できる状態」になっていると思います。
ただ、この段階で終わりにしてしまうと、どういう心配があるか?
そうです、忘れてしまう可能性があります。
人は忘れるのが当たり前。
つまり、復習をしなければ「できる問題」も忘れてしまう可能性があります。
最初に紹介したエビングハウスの忘却曲線についてもう少し詳しくお伝えします。
20分後に42%を忘れる
1時間後に56%忘れる
1日後に74%忘れる
1週間後に77%忘れる
1ヶ月後後に79%忘れる
エビングハウスの実験は意味を持たないアルファベットのつづりを覚えて、どれくらい忘れるかを調べた結果です。
学校で勉強する内容は理解をして覚えるので、この結果よりは忘れにくい感覚はあります。
ただ理解をしないで丸暗記で覚えようとすると、エビングハウスの実験と同じような結果に近くなるでしょう。
理解をしたとしても、初めて習ったことを1回勉強しただけで覚えるのは難しいと思っています。
忘れてしまうと、「できる問題」の段階から「できる状態を維持する」段階に進めることができません。
この状態でテストを受けて、次のように思う子が多いです。
見たことがある問題がテストで出題されたけど、忘れてしまって解けなかった ・・・
きっと1回はこう思ったことがあるばすです。
勉強を頑張っているのに点数が悪かった経験があるなら、この原因をまずは知りましょう。
原因がわからないと改善ができません。
だからこそ復習が必要なのです。
テストで高得点をとっている子は、忘れないような勉強の仕方を工夫して「できる状態を維持」してテストを受けています。
あなたも自分に合った復習の仕方を身につけていきましょう!
まずは当日の復習から始めよう
では、正しい復習のやり方はどうすればいいのか?
気になる子も多いと思います。
復習のタイミングや間隔はいろいろありますが、まずはその日に勉強したことを当日中に復習してみてください。
ちなみに、どれくらいの子が当日の復習をしていると思いますか?
ベネッセ教育研究所が2015年に発表した調査結果をお伝えします。
「授業で習ったことはその日のうちに復習する」と回答した中学生は57%でした。
約半分である57%を多いと考えるか?少ないと考えるか?
この回答と成績の関係は調査結果にはありませんでした。
ただ、1日で74%忘れてしまうことを考えると、「その日のうちに復習する」グループに入ったほうが点数が上がりそうな気がしませんか?
だからまずは、当日の復習から始めましょう!
5分で簡単にできる当日の復習の仕方
毎日、当日中に復習するなんて大変と思うかもしれませんが、慣れてくれば当日中の復習は5〜10分で終わります。
このあとの当日の復習の仕方のポイントを確認して取り組んでみてください。
・問題を解き直すことはしなくてもいい
・その日の勉強内容を見たり、思い出すだけ
当日の復習では、問題を解き直すことはしなくてもいいです。
もちろん余裕がある子は間違えた問題だけでも実際に解き直しをするとより効果的です。
実際に塾で指導しているときの例をお伝えします。
塾では間違えてしまった問題はヒントを出したり説明をして、生徒に解き直しをしてもらっています。
授業の最後にもう一度、間違えてしまった問題を解いてもらうと・・・
実際、正解できないことも当然あります。
ただ、なぜ間違えてしまったかすぐに気付けるようにはなっていますので、あとは復習で考え方を定着させるだけです。
教科書やノート、塾のテキストを見て
・どうやって解いていたかな?
・答えは何だったかな?
・ここで間違えてたけど、こうやって考えればよかったな
・授業では先生がこんな説明をしていたな
このように正しい考え方や答えを「思い出す」ことが大事です。
時間がなければ教科書やノートを見ないで授業内容を思い出すだけでもいいです。
これなら数分で終わりますよね。
復習の量が多くて大変なときの工夫
当日の復習は、教科書やノートを見るだけ、思い出すだけ!
それならできそうと思ったけど、学校や塾の宿題が多いときはその時間すら難しい・・・
そんな場合もあると思います。
1日に勉強した教科が多いともちろん復習の量も多くなりますからね。
時間が足りないときは、当日の復習は初めて習った内容だけでもいいです。
塾に通っていたり通信教育で勉強している子の場合、学校で習う前に予習をしていることもあると思います。
予習した内容についてはしっかりと当日の復習をしてください。
ただ、塾で予習をした後にその内容を学校で勉強したときは、理解できていると思ったら当日の復習はしなくてもいいです。
塾で予習をして当日の復習をして、別の日に学校で同じ内容を勉強したときは2回目の勉強になります。
余裕があればその日にも当日の復習をしたほうがいいですが、他に初めて習ったことがあればそちらの内容を優先して復習したほうがいいです。
もちろん学校で勉強をしてみて、忘れてしまっていたのなら当日の復習はおこなってください。
まとめ
少しでも復習の重要性がわかってくれたら、今日勉強したことを5分思い出すだけでもいいので復習してみてください。
余裕がある子は教科書やノートを見直すだけではなく、心配な問題だけでも解き直してみるとさらに完璧です。
当日の復習だけではなく、もっと復習を頑張りたい!
そのように思ったなら、翌日の復習も含めた「復習の回数とタイミング」について下記の記事も読んでみてくださいね。
→復習の回数とタイミング。効率の良い勉強法とは?